令和7年8月26日 代表生徒が 子ども議会で活躍をしました
夏休みも終わりに近づいた最終週の、とても暑い日でした。
荒川区役所本庁舎5階の荒川区議会議場にて、子ども議会が開催され、本校からも三学年の代表生徒2名が、議員として参加をしました。
各校から集まった議員は、通常は区議会議員が座る議員席に着席し、順に区の施策に関する質疑を行いました。出席者の議員席に立てられる黒い柱「氏名票」には、ちゃんと生徒氏名が刻まれています。
一番高い位置に座る議長も議員代表の生徒が担い、議場内前方で向き合って15人の所管課長が座り、それぞれの生徒の質疑に答弁を行いながら、議会は進行していきました。どうして現状に至っているのか、今後の施策はどのような目標を定めているのか、あるいは意見をどのように反映していけるのかなど、答弁は一つ一つ丁寧に行われました。質疑も答弁も、荒川区の生活充実や魅力発信など「なるほど」とうならされるものが多く、傍聴者も荒川区について深く考えさせられる機会になりました。
荒川三中代表の一人は、「豊かな心を育む読書のまちづくり」というテーマで質疑を行いました。読書を通した豊かな区民生活について、利用者数の増加につながるイベント拡充要望、Web活用などのアイディア提示、新しくなる南千住図書館と荒川文化館の構想に関する質問がありました。答弁にあたってくださった地域図書館課長からは、朝顔の育て方にまつわるワークショップなど、読書に親しむきっかけになるイベントの充実について説明がありました。また、まもなく始まる南千住図書館の改修によって企画されている新しい文化的生活の魅力について発信が行われ、誰もが読書に親しむ取組を進められる環境つくりを約束していただきました。
さらにもう一人の本校代表から、間もなく10月から始まる「プラスチックごみの分別」をテーマにリサイクル事業の必要性に関する主張がなされました。荒川区の取組について、区民の取材をもとにした自身の賛同意見を添え、取組が区民に伝わっていないと感じていることを訴えました。さらに、年代別で多様な広いニーズに応える広報の充実の提案がなされました。
清掃リサイクル推進課長の答弁では、現状のプラスチック回収事業について、資源としてのリサイクルの全区実施についてお話をいただきました。また、現在推進している周知啓発の実施策の紹介としてチラシの全戸配布、住民説明会の実施、そして9月から始めるSNSによる情報発信や、多言語広報と日本語学校への出張予定など意見を反映していける可能性について教えていただきました。さらに、生徒の質疑にあった、成果の可視化を取り入れていくこともお話いただきました。
他にも他校の議員から、具体的なアイディアを交えつつ、土日祝日の子育て支援を充実させたら安心して生きていく荒川区を実現できるのではないか、という提案がありました。また、防災訓練日が少なくて日程調整ができずに参加できない区民に対応するべきだ、という声もありました。荒川三中で今年度から始まった部活動の地域連携に関わる意見として、早く全校で実施してほしいという強い要望も上がりました。全16種の質疑テーマは、どれもが魅力的で、聴き応えのある立派なスピーチでした。
今回の議会の進行を通して、新しい課題の捉えや、多様な視点が生まれたものと感じました。また、荒川区の施策は多くの工夫が凝らされていることも実感しました。3回目の開催を迎えたこの子ども議会は、「荒川区子どもの権利条例」の制定を契機として始まりました。子どもの権利を保障し、子どもたちが安心して暮らせるまちづくりの推進を目的としています。
さらにこの目的を越え、これからの荒川区つくりや広く社会つくりに参画できる次世代の育成につながる機会が進んでいるものだと思いました。荒川区には、頼もしい子どもたちが育っています。
(子ども議会の様子は、11月発行予定の区議会だよりにも紹介される予定です。)
《 校長 》