令和7年7月8日 1学年移動教(5)
バス1台分の幅の、曲がりくねった上り坂が続き、一行は沢入登山口にたどり着きました。今一度装備と心構えを確認して、いよいよ入山です。
入山口は、始めの斜面がきつくて、一歩一歩が大きな段差を乗り越えるような登り道です。すぐに駐車場が見えなくなり、うっそうとした森林に包まれました。それでも、背の高い木々を抜ける風がほほにそよぎ、幾種類もの小鳥たちがさえずる心地よい細道を、生徒は元気に登り始めました。校歌や森のくまさんを明るく歌っているグループもいます。
60分ほどで突然視界がひらけました。入笠湿原です。
ここは、標高1734mに広がる自生植物の楽園です。色とりどりの花が咲き、蝶がヒラヒラと舞っています。
近年野生のカモシカから植生を保全するため、周囲を網と格子で囲いました。湿原の保存と野生動物の保護の両方を、地域の方々の思い出実現させようとしている稀有な湿原です。9月になると、野生のオコジョを見かけることもあるそうです。
こちらの湿原で、宿舎から届けていただいた昼食をいただいた後、いよいよ入笠山頂をめざして出発しました。
天候は、時折日差しが強くなりながらも、おおむね白い雲がかかり、絶好の登山日和でした。一般の登山者とすれ違っては「こんにちは!」と、元気に挨拶を交わします。
山頂付近は今日一番の厳しい斜面。励まし合いながら、踏みしめて進みました。いよいよ前方の林がなくなり、見上げると小高い丘が見えました。頂上です。
誰もが「帰りたくなーい「もっとここにいたーい」と口にするほど、周囲を遮るもののない、山々を見渡せる特別の場所。
努力の成果で到達したこの高みを、もっと味わいたいと岩場に腰かけて語り合っていました。
先頭のA組の記録で入山10:00、出山15:20の自然を満喫した一日。励まし合った仲間と素晴らしい景色と体験は、一生の思い出になることでしょう。