『ゴーヤクラブ』しよう!~試行錯誤し、様々な人とつながる子どもたち~
昨年度、2歳児うさぎ組の頃に職員室の主任と一緒にゴーヤを育てた子どもたち。
「『ゴーヤクラブ』しよう!」を合言葉に、匂いや形など
諸感覚を働かせながらじっくり楽しみました。
中身を見てみたい!と縦や横に切って観察したり、
黄色くなった実と緑の実を比べたり、
水に入れて浮かぶかどうか試したり、
小さな科学者たちの興味は尽きません。
黄色くなった実は緑の実と違って甘い匂いがすることや、黄色の実にアリが集まってきていることにも気づき、
「アリさんにあげたい」と黄色の実を園庭に置いて観察する子も出てきました。


黄色の実から種が取れることを発見した子どもたちは、種とりにも夢中になりました。
そして今年度…「こあら組になったら植えようね!」と楽しみにとっておいた種をポットにまき、
また『ゴーヤクラブ』の活動を再開しました。

水やりを続けるとぐんぐん大きくなり
「お花咲いてる!」
「はっぱもゴーヤの匂いするけど、まだゴーヤの形になってないから、もうちょっと待たないと」
「(実が)太ってる!」
と変化に気付き喜びあいました。
ゴーヤの匂いも形も、どのように育つかも知っている子どもたち。
昨年度からじっくりゴーヤと関わってきた経験が積み重なり、
見通しをもって意欲的にお世話をする姿につながっていきます。
先生が「ご飯あげよう」と肥料をあげていたのを見て、
しばらくたってから「明日おやつ(追肥)あげようよ」と提案する子もいました。
ついに実がなると、大喜び!
一緒にお世話をしてきたことで『ゴーヤクラブ』という仲間意識が生まれ、
「次は~ちゃんが取る番ね」とお世話を頑張っていた友達を認め合いながら順番に収穫しました。
においを嗅いだり、触って「なんでゴーヤはとげとげしてるの?」と疑問をもったり、
大事に育てた分じっくり観察していました。
かわいいかわいいゴーヤなので、クラスの友達や、他のクラスの友達、職員室の園長先生や副園長先生など、
いろいろな人に見せ、ゴーヤ博士のように説明をして回りました。
ベッドを作って寝かせてあげたり、抱っこひもで抱っこしながらお世話をしてあげる子や、
「お家で一緒に寝る」と連れて帰った子もいます。
子どもたちのいきいきとした姿を見て保護者の方も関心を向けてくださり、「うちでゴーヤ食べたよ」という子が出てきました。
その話をきっかけに「こども園でもみんなで食べてみたいね」と栄養士の先生にお願いすることに。
食べたことがある子はお家で調理の過程も見ていたようで、ゴーヤの綿は苦いということを知っていて
「ふわふわは取ってくれますか?」とお願いしていました。
「チーズで食べたよ」という話を聞いてみんなで相談して、揚げたゴーヤに粉チーズをかけていただくことになりました。
苦いゴーヤにもかかわらず、おかわりする子も出るほどもりもり食べ、
「今日はゴーヤパーティー!」と大喜びの子どもたちでした。
今年も種を取りたいね、といくつか実が黄色くなるまで待ち、
水で洗ってみたり中身を見てみたりもしました。
「みかんの皮みたい」「みかんの匂い」「赤いところぬるぬるする」
と緑の実との違いを味わい、種を取りました。
「また植えたらゴーヤできるかも!」と見通しをもち、今から楽しみにしている子どもたちです。