絵本で心を通わせて

ページ番号1017976  更新日 令和6年7月30日

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絵本が大好きな1歳児りす組の子どもたち。
ある日、Aちゃんが担任のもとに「かおかおいいかお、みよう」と絵本を持ってきました。
持ってきたのは、クラスで人気の絵本の一つ『かおかおどんなかお』(柳原 良平 作、こぐま社)です。

『かおかおどんなかお』
『かおかおどんなかお』(柳原良平 作、こぐま社)

「めは2つ」「はなは1つ」と読むと、それに合わせて、自分の顔を指さすAちゃん。
そこにBちゃんとCちゃんもやってきました。
「おこったかお」「ぷんぷん」
「わらったかお」「ワハハ」と、絵本に合わせて3人も真似をします。

「いたずらなかお」のページで「いたずらなかおってどんな顔だろう?」と担任が困ってみせると、
Aちゃんが「イシシ」と腕を組みながら絵本と同じ表情をしました。

絵本を見ている子ども
「イシシ!」

すると一緒に見ていたBちゃん、Cちゃんも一緒に「イシシ」と「いたずらなかお」をやり始め、
3人で大笑いをしていました。
それを見ていた他の子どもたちにも「イシシ」が広まり、りす組では2週間ほど「イシシ」ブームが続きました。

絵本を介して、言葉でやりとりを交わさなくても一緒に笑い合い、
友達とのつながりや同じ動きをする楽しさを1歳児なりに感じています。

絵本を見ている子ども

絵本の読み聞かせには、
・言語発達への影響
・情緒的な発達への影響
といった効果があります。

絵本の読み聞かせの際に指差しや同じものを見るといった関わりが生まれ、
絵本をはさんで心を通わすことで、言葉が獲得されていきます。
このように、「心を通わせる」ということが子どもの語彙獲得の基盤になっていることがわかります。*1

絵本を見ている子ども

読み聞かせは児童期の言語発達にも影響があり、
ゆくゆくは言葉のスキル(筋道を考えて書く、漢字を正しく書く、段落を意識して書く)や
論理性(自分の言葉で順序立てて相手に分かるように話す、原因と結果のつながりを考える)につながっていきます。*2

脳科学研究から「読み聞かせは心の脳に届く(心を司る脳が反応する)」ということもわかっているそうです。*3
家族での時間が増える夏に、配布した「うちどくのーと」も活用して、親子で絵本の読み聞かせを楽しんでみるのはいかがでしょうか?
本園ではふれあい文庫の絵本の貸し出しも行っています。様々な絵本との出会いにぜひご活用ください。


*1 岩崎,2018
*2 ベネッセ,2019『幼児期から小学生の家庭教育調査』
*3 泰羅,2009

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