令和3年3月1日(火曜日) 3月号巻頭言

ページ番号1008781  更新日 令和4年3月26日

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「10の姿」(2) 自立心 自信を持って行動する子どもを目指して

園長 末永 寿宣

 今年度の最終号となります。一年間、本園の教育活動にご理解・ご協力ありがとうございました。日頃の子どもたちの様子をクラス便りや幼稚園便り、ホームページでお伝えしてまいりました。特にホームページでは、各担任が日々の活動を振り返り、教育記録として紹介してきました。保護者の皆様からも「子どもたちの様子が分かりありがたい」というお声をいただいております。
 一年を通して、発達段階に応じて、子どもたちの自立心の育成を目標として、教育活動に取り組んできました。自立心とは、子どもにとって「生活や遊びの中で、自信を持って主体的に行動する力」だと考えるとわかりやすいかもしれません。本園では、子どもの自立心を育むための援助や配慮として以下のように取り組んでいます。

  • 子どもがやりたい活動を選べるよう、目で見てわかりやすい環境を整える
  • 自分で考えて行動するための時間をゆったりと確保した生活の流れを作る
  • その日の流れを意識できるように個別に援助していく
  • 一人ひとりの子どもの良さが友だちに伝わるように褒め、クラス全体の中で認め合う

 それでは、その実践の一端を2月の教育活動の中からご紹介いたします。

3歳 もも組

「こんな鬼だったらいいのにな」というテーマで、個性的な鬼を描いた後、休んでいた友だちに出来上がった作品を見本として見せてあげました。
「レストランを開こう」と子どもたちから声があがり、シェフが注文を聞きに来てくれるレストランごっこをしました。
着替えた服を一人でたたみ、片付けの終わっていない友だちを進んで手伝ってあげています。
運転席の後ろに椅子を並べて、人形を乗客に見立て運転しています。

写真:3歳 もも組

4歳 たんぽぽ組

身体を動かしながら、リズムに合わせて踊ったりしながら英語に親しんでいます。講師の先生の楽しい活動に引き込まれ、笑顔で取り組んでいます。自分から進んで質問することもあります。
マルチパネルを使って船をつくったり、先生になってリズム体操を一緒に踊ったりしています。一日一緒に遊んで、言葉を交わしながら、お互いに仲良くなっています。
段ボールで作った新幹線に色を塗り、友だちと一緒に園内を走って楽しんでいます。

写真:4歳 たんぽぽ組

5歳 すみれ組

今年も修了記念の制作に取り組んでいます。東京藝術大学よりゲストティーチャーと学生さんをお招きし、銅版画を体験しています。
ニードルを使って絵を描いた銅版画は、先生方が特殊な薬剤を使って意図的にサビさせることで凹凸ができます。
子どもたちは先生から版画の構造の話を聞きながら、自分の銅版画を触って感触を確かめました。インクをつけたり、こすったり、プレス機のハンドルを回したりする過程を体験し、作品が出来上がると見せ合っていました。

写真:5歳 すみれ組


10の姿における「自立心」を育むために、本園では、子どもがやりたい活動を選べるよう、目で見てわかりやすい環境を整え、自分で考えて行動するための時間をゆったりと確保しています。そして、今後も一人ひとりの子どものよさが友だちに伝わるように、褒めることを意識してまいります。