明らかになった成果と課題
−「学力向上のための調査」結果分析−


 1. 平成20年度「学力向上のための調査」結果分析
(1) 明らかになった成果

第三中

荒川区

18年度

19年度

全学年

比  較
 

18国語

基 礎

78.7

72.9

応用・発展

69.6

62.3

19国語

基 礎

73.0

72.2

応用・発展

60.7

60.5

18数学

基 礎

75.4

66.1

応用・発展

60.9

49.5

19数学

基 礎

63.5

57.7

応用・発展

43.0

38.6

18英語

基 礎

81.6

71.1

応用・発展

66.7

56.1

19英語

基 礎

79.5

74.6

応用・発展

64.2

54.6

@全体像(課題の本質的なとらえ)
 第三中学校は、平成14年4月に教科教室型の校舎、ノーチャイムで生活する学校として生まれ変わり、それ以降、毎日生徒は授業に遅れないよう時間を意識して行動し、学習活動にも意欲的に取り組んでいます。授業に向かう意識づけという点で成果をあげています。
 本校は、各教科で探究活動・課題解決活動を取り入れた学習活動を展開し、主体的な生徒の育成に向けた実践を進めています。日頃から第三中学校では、多様な職業の人々を招いた進路・生き方学習「校内ハローワーク」等の体験的な活動や、 「おもしろ探究授業」等で、生徒一人一人の興味・関心や学び方に即した関心・意欲・態度を育成する取り組みを継続してきました。学習意識調査で「学びへ向かう力」「自ら学ぶ力」「学びを律する力」の数値が高いところに結びついていると思われます。

 A19年度の成果
 「平成19年度、学力向上のための調査」の全学年の結果を見ますと、学校全体の平均値では全ての分野で区の平均を上回る結果となりました。しかしながら、学年別に見ると2、3年生では全ての項目で区の平均値を上回ったものの、1年生ではやや平均を下回る項目もあり、今後、指導方法の改善を図る取り組みが一層必要となります。
 学習指導の成果の要因としては、期末試験に向かう過程で、学習計画表の作成等のきめ細かな指導、家庭学習の習慣づけ、学習教室での補習等の小さな積み重ねの成果がでたものと思われます。また、書籍充実に伴って図書館の稼働率を上げ、累積利用者数、読書量ともに激増したことで、文章を読む力が少しずつ身についてきたものと考えられます。

(2) 課題の分析と改善の視点
 平均点ではわからない上位層と下位層の二極分化の傾向が見られ、到達度に応じた個々の指導の充実が本校の大きな課題です。第三中学校では、応用・発展の力を一層伸ばすとともに、各教科の学習活動の中に繰り返しの練習を取り入れるなどして、基礎力の向上を図る学習指導を進めていきます。共通した具体策は、
  • 補習等について外部人材も活用しながら二極分化した到達度を埋めるため基礎学力育成に努めます。
  • 学習計画表の作成等、きめ細かい指導、日頃の補習の積み重ねや授業規律の徹底を一層図っていきます。
  • 細かな指示と指導による学習習慣を確立、図書館利用の推進による言語力の向上を図ります。
  • 今年度も週29時間授業を実施し、問題解決的な学習を充実し、自ら学び、自ら考える生徒を育成します。

第三中

荒川区

全学年

国語

基 礎

73.0

72.2

応用・発展

60.7

60.5

社会

基 礎

58.6

50.8

応用・発展

40.0

35.3

数学

基 礎

63.5

57.7

応用・発展

43.0

38.6

理科

基 礎

65.4

52.4

応用・発展

48.5

39.6

英語

基 礎

79.5

74.6

応用・発展

64.2

54.6

(各教科の成果の分析○と課題▲)

【国語】…○漢字、語句等の言語に関する基礎的事項が平均値を上回る裏付けとしては、授業毎の漢字小テスト実施の成果であると考えられる。文章読解能力に関してもその力は、平均を上回っている。普段の落ち着いた学習への取り組み姿勢から生まれた成果であろう。図書室の利用頻度を高め、朝読書指導や日常的に読書をするように指導を進めていきたい。
▲何よりも授業規律の徹底を継続する。授業開始時の漢字小テストを従来通り実施する。短絡的な答えの導き方ではなく、自らの考えを正しい日本語での文章として書く機会を多く設定する。

【社会】…○平均到達度は荒川区が46.2%であるのに対して本校生徒は53.1%であった。基礎・応用とも区の平均を上回った。基礎は定着しているが応用に関してもう少し力をつけたいところである。
▲「社会的事象についての知識・理解」や「観察・資料活用の技能・表現」の数値が低いという現象が見られ、生徒の学びに対する意欲や関心に対して、適切な教材を提示し指導ができているかどうか、再考する必要がある。基礎的、基本的なことは復習の小テストで定着させるようにし、発展的なことがらについては授業の中で教えることとする。

【数学】…○全学年ともに、荒川区の平均到達度の平均を上回った。全ての学年で数学的な表現・処理が平均を上回った要因は授業前に行った計算小テストの成果と考えている。今後この取り組みは継続する。少人数の授業のやり方は現状を維持し、さらにコンピュータの活用や実習等を加えるなど指導の工夫を行う。
 ▲習熟度の基礎クラスでは計算小テストの解説を授業中に行い理解度を上げる。間違えノートを作成させ、繰り返し学習を行うことで基礎学力を定着させる。標準・応用クラスの生徒には文章問題・応用問題を行うことをすすめ、授業だけでなく放課後も支援を行い継続させ応用力の育成を図る。

【理科】…○調査の結果から、基礎・応用とも荒川区の達成率の数値を大きく(17〜20ポイント)上回っている。このことは、自然体験を味わえる機会が減少するなか、「理科嫌い」、「理科離れ」が言われて久しいが、本校は理科好きな生徒が多く、特に実験・観察に関しては興味を抱き、意欲的に取り組む生徒が多いことがこの結果に反映されていると考えられる。
▲基礎に比べ応用の数値が若干低い。小単元終了毎に実施している小テストについては今後も継続し、基礎学力の定着をより一層図るとともに、大単元終了毎には、発展学習にも取り組ませ、応用力の伸長を図る取り組みを行う。

【英語】…○リスニングは、小学校での学習経験が生かされているように感じられる。一方で、作品作りなどの文字による表現活動への関心度が低いため、表現力について懸念されていたが、リスニングの効果が基本表現やフレーズの定着にあらわれ、予想以上の好結果であった。
 ▲今後は、現状通りの音声による導入を継続していくとともに、音と文字を連動させ、その技能を「話す」、「読む」、「書く」それぞれの技能の向上につなげていくことである。特に、読解力の得点は低く、長い英文にも取り組ませていく。表現活動では、「書かない」「書こうとしない」生徒をなくし、まずは「伝える」喜びを体験させるために、課題の精選、指導手順の明確化など指導に工夫を加えていく。読解力の向上のためには、生徒にとって関心の高い教材を示し、読解の手がかりとなる指示を与えていく。